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First Penguin vol.13 オシロ株式会社 杉山 博一さんが語る「共創するコミュニティで経済圏を作るオウンドプラットフォーム」とは?

読了時間:約 4 分

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作家や漫画家、画家など、さまざまな芸術を生み出すアーティスト。しかし、その道一本で生きていけるのは、ほんの一握りの選ばれた人たちです。夢を目指す大半の人は、「アーティストとしては食べていけない」と諦めざるをえない状況になってしまっています。
こうした人に作品をつくり続けられる環境を整えようと活動しているのが、オシロ株式会社です。「芸術文化大国をつくる」のミッションのもと、作家・アーティストを最大化するためのファンコミュニティを醸成する活動を続けています。今回お話を伺ったのは、オシロ株式会社代表取締役の杉山 博一さん。アーティスト活動を支える共創するコミュニティ特化型オウンドプラットフォーム『OSIRO』を活用すれば、アーティストが自走するための経済圏を作ることができると言います。今回は、杉山さんが考えるコミュニティの価値と、アーティストを支える上でのコミュニティの役割についてお話を伺いました。

新しい分野に果敢に挑戦するスタートアップ経営者を未知なる海に真っ先に飛び込む1羽のペンギンになぞらえてインタビューする「First Penguin(ファーストペンギン)」。更新しているのは、Fintechに関連するプロジェクトやコミュニティ、施設を運営する株式会社FINOLABです。

「共創するコミュニティで経済圏を作るオウンドプラットフォーム」インタビュー斜め読み

ここではインタビュー動画本編より5つのやりとりを簡潔にまとめました。回答に対する杉山さんの思惑を深掘りしたい方は、ぜひ該当箇所がスポット再生されるURLよりご視聴ください。

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Q1. オシロとは、どのような事業を行っている会社なのでしょうか?

A.「コミュニティ運営に必要なシステム『OSIRO』の提供と、コミュニティが活性化するためのサポート業務を行っています。オンラインコミュニティにはさまざまなタイプがありますが、『OSIRO』はオウンド×サブスクリプション×コミュニティの3つの特徴を持ったコミュニティです。FacebookやTwitterはプラットフォームの中でブランド形成を図っていきますが、『OSIRO』はコミュニティ自体を自分のブランドにできるシステムです。僕たちのミッションは、『芸術文化大国をつくる』こと。そのためにアーティストが自身の活動を継続して行える環境を整える必要があります。SNSが発達し、届けたいエンドユーザーに想いが届かなくなっている現在、共感を熱量に変えられるコミュニティを活用することで、アーティストの価値を最大化していこうと考えています」

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Q2. コミュニティ内では、どのような活動があるのでしょうか?

A.「例えば、『宇宙兄弟』のコミュニティでは、作品について話し合う場所があるのはもちろん、次の新刊を100万部売るにはどうしたらいいかといったプロジェクトが立ち上がったり、公式のLINEスタンプを作るならどのキャラクターがいいか意見を集めて、実際に制作したりといった活動を行っています。コミュニティを最大化する上で難しいとされているのが既存メンバーと新規メンバーの交わりをつくること。そこで『バディ』の機能を設け、既存のメンバーが『何でも聞いてね』と意思表示ができる仕組みを作っています。他にも、『興味関心』という機能を使って、自分で関心のある分野をタップすることで、自分と共通点の多い人が誰かが分かるようにもなっています」

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Q3. なぜコミュニティに関する事業を始めようと思われたのですか?

A.「日本で芸術文化の若手アーティストの助けになりたいと思ったことがきっかけです。僕自身、20代に世界一周をして帰って来てから、フリーのデザイナーとして仕事を請け負う傍ら、絵を描くアーティストとして活動をしていました。しかし、30歳を機にアーティストでは食べていけないと創作活動に終止符を打つことに。収入はデザインの仕事やアルバイトをすれば何とかなったのですが、自分を応援してくれる人がいないと続けていけないことを実感しました。そこで、日本を芸術文化大国にしようと立ち上がりました。今の課題は、アーティストがそれだけで生計を立てていけないこと。そのためには日々の暮らしにアートを溶け込ませること、触れた人の心の栄養になっていくことが重要だと考えました」

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Q4. 社内制度も特徴的な取り組みをされていると伺いました。

A.「僕は社員を従業員ではなく、家族だと思って接しています。入社したら、本名の名刺の裏側に『御城〇〇』と苗字を変えて書くのも、社員が家族だということを体現したツールです。他にも、コアバリューとして会社の価値観を三つ作っています。一つ目は、毎週社員に契約農家から仕入れた無農薬野菜を配ること。二つ目は、芸術文化に触れるためのお金『芸術給』を毎月3万円まで支給していること。三つ目は、対話を重視したコミュニケーションを図ることです。毎週金曜日には、みんなで料理を作って話しながらごはんを食べているんですよ。ミッションを達成するには長い道のりとなります。それを乗り越えていくために何が必要かを常に考えて実行しています」

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Q5. オシロとしては、これから何を目指していくのでしょうか?

A.「コミュニティファーストの考えを根付かせて芸術文化大国の礎にしていきたいと考えています。コミュニティはあくまで手段。本来、アーティストが創作活動をすることを支えるためのコミュティであり、そのコミュニティに帰属する人が増えれば一緒に作る過程に参加するようになります。その先、コミュニティに帰属する人が増えればそこが経済圏になっていくはずです。現在、コミュニティ内で実行しているのが、コミュニティ内でとったアクション全てがポイントとして溜まるシステム。自分で使うだけでなく、貯めたポイントを会員メンバーにあげる機能もついています。そのポイントをスキルやモノと交換していく経済圏になったら面白いなと思っています」

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