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First Penguin vol.18 リアルワールドゲームス株式会社・ 清古 貴史さんが語る「歩いて健康を増進する 健康×位置情報×トークンエコノミー」とは?

読了時間:約 4 分

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人生100年時代に欠かせない健康。老後も健康を保っていくためには、バランスの取れた食事や十分な睡眠のほか、規則正しい運動が大切です。平成30年度のスポーツ庁の調査(*1)では、週3日以上運動をする成人の割合は約3割。健康に関心を持っていても、実際に習慣化できている人は少ないのが実状です。

こうした健康問題に対して、「歩く」ことに特化した位置情報ゲームアプリを提供しているのが、リアルワールドゲームス株式会社です。トークンエコノミーを取り入れ、自社で地図エンジンを制作するとともに、地図を作る際に集めた位置情報データを基に、企業や自治体向けに健康管理サービスを提供しています。

今回お話を伺ったのは、リアルワールドゲームス株式会社代表取締役の清古貴史さん。「歩くことで、人々に健康になってもらいたい」と語る清古さんに、トークンエコノミーを取り入れた地図制作、位置情報ゲームと健康の関係性、今後目指していきたい世界について伺いました。

新しい分野に果敢に挑戦するスタートアップ経営者を未知なる海に真っ先に飛び込む1羽のペンギンになぞらえてインタビューする「First Penguin(ファーストペンギン)」。更新しているのは、Fintechに関連するプロジェクトやコミュニティ、施設を運営する株式会社FINOLABです。

「歩いて健康を増進する 健康×位置情報×トークンエコノミー」インタビュー斜め読み

ここではインタビュー動画本編より5つのやりとりを簡潔にまとめました。回答に対する清古さんの思惑を深掘りしたい方は、ぜひ該当箇所がスポット再生されるURLよりご視聴ください。

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Q1.リアルワールドゲームスのサービス内容について教えてください。

A.「『ビットにゃんたーず』という歩くことでプレイする位置情報ゲームアプリを提供することで、人々に歩いて健康になってもらおうという会社です。歩いた証に『アルクコイン』というトークンをゲーム内で発行し、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)が上がるような体験をしてもらうことで、健康を増進させることを目指しています。具体的には、Googleマップなどを使わずに、位置情報の地図基盤を整備して自社の地図エンジンを作っています。また、その際に集めた位置情報データを基に、歩行や睡眠、食事情報を収集して、日別でチェックできるようなサービスも、自治体や健保、大手企業向けに制作中です」

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Q2.地図の制作には様々な情報が必要ですが、どのように情報を集めているのでしょうか?

A.「歩くために必要なスポットデータを、ユーザーに集めてもらっています。離島も含め全国各地から写真をサーバーに投げていただいて、別にユーザーがそれに対しての評価、投票をし、最終的にOKなものだけ地図に共有しています。完全にボランティアでデータを集めようとすると、なかなかたくさんのデータは集められない。そこで、『アルクコイン』というトークンを発行して、スポットを1個発見してくれたら、報酬でコインを1枚差し上げるというルールでトークンエコノミーを回しています。要は貴重な体験や健康的な体験、QOLが上がるような体験をした証として、コインを一枚一枚発行して渡すというのを繰り返している形ですね」

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Q3.『歩く』ことに軸足を置いて、起業をしようと思った理由は何でしょうか?

A.「外に出なければプレイできないアプリを提供することで、人々が楽しく歩くだけで、健康面・仕事面においてもプラスになるのではないかと考えたからです。元々私は歩かない方で、家から会社への通勤時間も往復約10分。本当に動かなくて。その頃にたまたま『Ingress(スマホ向けの位置情報ゲーム)』というアプリをプレイし始めたんです。それは外に出ないと何もプレイが進行しないんですね。その結果、トータルで2万キロも歩いてしまって。今まで健康不安だった自分が、アプリを利用することで、歩いて健康になった。なので、我々が今取り組める部分は、健康寿命を伸ばすとか、労働寿命を伸ばすといったところなのかなと思っています」

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Q4.企業や自治体向けのサービスは、具体的にどういったものですか?

A.「月額300円で従業員の歩行と睡眠と食事情報を集めて、日別でチェックしていくものです。従業員が休まなければ、その分仕事がはかどると考える企業が多く、欠勤率の減少を目的として取り入れていただいています。他の目的としては、医療費の抑制。1日あたり8千〜1万歩歩くと、年間の医療費が35,000円削減されるというデータが国交省から出ています。本当の意味で従業員が健康になると、会社にとっては利益が出たり、国にとっては医療費が抑制されることによって、財源の確保ができたりする。働き方改革もあり、今注目されている部分です」

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Q5.リアルワールドゲームスとして、最終的にどんな姿をイメージしていますか?

A.「トークンエコノミーで信用創造ができれば、健康や観光など枝葉の部分のところはどの部分でも接続が可能になると思います。であれば、うちはその中核のプラットフォームを提供していきたいと考えています。従来のヘルスケアアプリや万歩計には数値以外の目標がないですが、地図を見て寄り道しながら歩くことで、結果としてQOLが上がるんですね。そうすると散歩が義務ではなく、楽しい人生の一つのシーンになってくる。若い人はそれほど運動不足ではないですが、散歩が習慣化できるようになると、100歳まで長生きできる。人生100年時代に、皆が健康になるためのプラットフォームになることを見据えています

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*1 出典:スポーツ庁『平成30年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」について 』