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First Penguin vol.04 アカデミスト株式会社・柴藤 亮介の考える「研究者とは何か?」

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研究者の研究費獲得に特化したクラウドファンディング「アカデミスト」は、一般の私たちが「研究者や研究内容を応援したい」と思ったときに支援できるサービスです。運営するのは、クラウドファンディングサイトの他にも学術系メディアなどを運営する、アカデミスト株式会社。クラウドファンディングサイトを立ち上げたことで、今まで日の目を見なかったマニアックな研究分野や、予算が足りずにデータを集められなかった研究を進めることができるようになったとの声が集まっているといいます。今回は、アカデミスト株式会社代表取締役の柴藤亮介さんにお話を伺い、サービスを立ち上げた経緯やどんなプロジェクトが掲載されているのか、「研究者とは旅人である」と語る真意についてお話を伺ってきました。

スタートアップ経営者に話を聞くYouTube番組「First Penguin(ファーストペンギン)」。新たな分野に果敢に挑戦するスタートアップ経営者を、未知なる海に真っ先に飛び込む1羽のペンギンになぞらえてインタビューを実施しています。更新しているのは、Fintechに関連するプロジェクトやコミュニティ、施設を運営する株式会社FINOLABです。

今回は、「研究を応援することは、『知』が生まれる瞬間に立ち会える面白さがある」と語る柴藤さんの「アカデミスト」に対する熱い想いと、サービスの可能性にもぜひご注目ください。

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「研究者とは何か?」インタビュー斜め読み

ここではインタビュー動画本編より5つのやりとりを簡潔にまとめました。回答に対する柴藤さんの思惑を深掘りしたい方は、ぜひ該当箇所がスポット再生されるURLよりご視聴ください。

Q1.まず、研究者の研究費獲得に特化したクラウドファンディング「アカデミスト」とはどんなサービスなのでしょうか?

A.「一般の方に研究アイデアを発信して、研究費を支援していただくクラウドファンディングです。国から科学研究費が下りづらくなっている中で、一般の方が研究を応援できるサービスを作れればと思って始めました。リターン(投資に対しての対価)は、研究結果のレポートや、研究に関して一緒に議論ができる権利など様々です。以前は、論文として発表される前の研究過程を一般の人が知る機会はほとんどありませんでした。しかし、『アカデミスト』では研究者が挑戦している、“今”を知ることができる。こうした体験に価値を感じてサポートしてくださっている方もいらっしゃいます」

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Q2.なぜ研究費獲得に特化したクラウドファンディングをやろうと思ったのですか。着想のきっかけを教えて下さい。

A.「大学院生時代、他分野の研究内容を聞いたときに、研究内容を知る面白さとサービスの可能性を感じたことがきっかけです。元々、私自身も大学院で理論物理学の研究を進めていました。しかし、研究をすればするほど終わりがなく、他の分野の研究など知る余裕はずっとないのだろうなと思ったんです。でもあるとき他の大学院生を集めて、お互いの研究内容を紹介し合い、新しい研究に触れる楽しさを感じました。研究背景や目的を伝える場を作りたいと思って、最初はTEDの研究者バージョンを作ろうと紹介動画を撮っていましたが、研究者の皆さんから『なんで撮るんだろう?』と困惑されてしまって。それで撮れば撮るほどお金が集まったら協力もしてくれるだろうし、延いてはそのお金で研究もできるのではとクラウドファンディングのサービスに至りました」

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Q3.実際には、どんな研究がクラウドファンディングサイトに掲載されているのですか?

A.「自然科学や分類学、歴史学、哲学など様々です。例えば、深海生物『テヅルモヅル』の分類学を研究している友人は、マニアックな分野ながら81名もの方に支援いただきプロジェクト目標額を達成しました。元々この研究は何の役に立つか分からない、研究人口が少ないといった理由で予算がつきにくい傾向にありました。しかし、『アカデミスト』に掲載すると全国のテヅルモヅルファンから支援が集まる結果となりました。他に、雷雲が発生するメカニズムを明らかにするための小型の装置を作ろうとするプロジェクトもありました。国からは前例がないなどの理由で科学研究費の申請が通らなかったのですがクラウドファンディングに掲載すると、160万円の支援が集まり、装置を作ってデータを取得。そのデータをもとに国に再申請をし、追加のお金が国から支援される結果となりました」

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Q4.今のサービスを継続して、より社会にインパクトを与えるために、どのような取り組みをされているのですか?

A.「300円から支援できる月額制のクラウドファンディングを始めています。毎月研究者からレポートが送られてくるシステムで、毎月そのレポートを買っているイメージですね。大きな額を集めることは難しいのですが、ファンの方との繋がりを継続しながら資金を流せる仕組みを作ろうとチャレンジしている最中です。支援者からしても、『知』が生まれる瞬間に立ち会えること、アイデアがどうやって知識になるかのプロセスを追えることはこれ以上ない体験ですよね。他には、四半期に一度11名の若手研究者がプレゼンをして参加者が面白いと思ったプロジェクトを支援するイベントも開催しています。また、企業が新事業を始める際に詳しい研究者を探すときに活用してもらうことも。クラウドファンディングの法人枠を設定して支援していただく流れも生まれてきています」

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Q5.「研究者は旅人である」とおっしゃっていましたが、その心とは?

A.「研究者にとって、ゴールはありません。ある研究課題が解決されたら、また次の課題が出てきて次に次にと進んでいく。ゴールが見えないその様はまさに旅人と同じだと思っています。また、研究者が共同研究者やクラウドファンディングでファンの方々を巻き込みながら新しい刺激や知的好奇心をどんどん大きくして研究の目的を達成することも、様々な仲間を途中で巻き込みながら世界中を旅してまわる旅人と共通する部分があるんじゃないかと。こうやって考えると、旅人という言葉が非常にぴったりだなと思いました」

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