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First Penguin vol.8 株式会社クラウドリアルティ・鬼頭 武嗣の考える「投資銀行の民主化とは?」

読了時間:約 4 分

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不動産に特化した投資型クラウドファンディング「Crowd Realty(クラウドリアルティ)」は、宿や飲食店、保育園など、不動産を使って事業を立ち上げたいプロジェクト起案者と、それを支援したい出資者をマッチングするサービスです。運営するのは、クラウドファンディング事業や金融業、不動産業などを営む、株式会社クラウドリアルティ。今回は、代表取締役の鬼頭 武嗣さんにサービスを立ち上げた経緯や、どんなプロジェクトが掲載されているのか、投資銀行が民主化するとはどういうことなのか、詳しくお話を伺ってきました。

First Penguin(ファーストペンギン)」は、新たな分野に果敢に挑戦するスタートアップ経営者を、未知なる海に真っ先に飛び込む1羽のペンギンになぞらえてインタビューをする、YouTube番組。更新しているのは、Fintechに関連するプロジェクトやコミュニティ、施設を運営する株式会社FINOLABです。

起業家とは建築家である」と語る、鬼頭さんが考える起業家と建築家の共通点にもぜひご注目ください。

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「投資銀行の民主化とは?」インタビュー斜め読み

ここではインタビュー動画本編より5つのやりとりを簡潔にまとめました。回答に対する鬼頭さんの思惑を深掘りしたい方は、ぜひ該当箇所がスポット再生されるURLよりご視聴ください。

Q1.投資型クラウドファンディング「Crowd Realty(クラウドリアルティ)」とは、どのようなサービスなのでしょうか?

A.「不動産の投資にフォーカスし、資金調達をしたい人と、出資をしたい人をマッチングするクラウドファンディングプラットフォームを提供しています。これまで京町家の再生事業や飲食店、保育園などのプロジェクトが成立しました。スタートアップで融資での資金調達が難しかった企業が7200万円調達したケースもあります。出資をした人へのリターンは年10%の還元や、宿や飲食店の優待券など、施設の特徴を生かしたものを用意。お店が完成したら、支援者や地域の人も呼んで内覧会を開催するなど、オフラインも介在させながら人がつながるコミュニティづくりにも力を入れています

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Q2.なぜ不動産の資金獲得に特化したクラウドファンディングを始めようと思ったのか、着想のきっかけを教えていただけますか?

A.「企業の規模に関わらず、不動産を活用したい全ての人が資金を獲得できる、いわば投資銀行の民主化のような仕組みをつくりたいと思ったからです。私は元々、企業や国・地方公共団体などが株式や債券を発行して資金調達をする『プライマリー・マーケット』で不動産部門を担当していました。しかし、そこで資金調達のために証券会社や投資銀行などを利用できるのは、大きな金額を動かせるごく一握りの会社だけ。これから事業を始めたいと考える多くの人が投資を受けられる『金融包摂=開かれた市場』を作っていきたいと思い始めたことがきっかけです

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Q3. 開かれた市場にするために、どのような取り組みをされているのでしょうか?

A.「コスト負担が大きくなってしまうため、大きな不動産でしか活用できなかった『不動産の証券化』のコストを下げ、小さな不動産でも使えるように取り組んでいます。そのために、投資銀行業務や不動産証券化業務をデジタル化することで人の力をかけずにまわせる仕組みを作っています。こうしてコストを抑えることで、より多くの人が投資を受けられるような体制を維持していこうと考えているのです。また、我々はJ−REIT(リート)で一般的に用いられる鑑定評価書を取得していません。その理由は、誰が見るかによってその不動産の価値は変わってくるから。出資する人がプロジェクトに対する価値を見いだせるようなプラットフォームづくりを大切にしています」

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Q4.個人での活動も積極的に行っているとお聞きしましたが、どのような活動をしているのでしょうか?

A.「経済産業省と共に新しいガバナンスモデルを検証しています。我々の業界は、どうしても既成の枠組みで物事を考えがちです。ただ、時代が変わっていく中で同じ枠組みでいいのかは疑問が残ります。そのために起業家だけでなく、国の立場からもビジョンに向けて取り組む必要があります。今、その人がお金を持っている・持っていないは過去の結果の話です。未来に向けて何か新しいことがしたいときに、その機会はすべての人に均一に与えられるべきです。そのための手伝いができる場を作っていくために、個人での活動も積極的に行っています」

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Q5.「起業家とは建築家である」とおっしゃっていましたが、その心とは?

A.「私は一起業家ですが、会社の運営だけでなく、枠組みづくりや政府との取り組みなど様々な活動をしています。それは建築家も一緒。建築家も建てるだけでなく、周辺の環境との調和も考えながら、素材や工法、意匠、さまざまな要因を統合して建物を作っています。大小さまざまな物体をデザインして統合していくのは建築家も起業家も一緒。最新の技術を取り入れながら、ミクロとマクロ、10年と100年の時間軸を行ったりきたりしながら、全体を統合して、最適を探しながら整合性をとることが、私たちの役割なのです」

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