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First Penguin vol.17 株式会社ハシラス・安藤 晃弘さんが語る「酔わない飽きない高臨場感 ロケーションベースVR」とは?

読了時間:約 4 分

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VR(バーチャルリアリティ)と聞くと、何を思い浮かべるでしょうか?非現実的な世界に入り込むゲーム体験でしょうか?はたまた近未来的なイメージでしょうか?
こうした視覚で楽しむVRに身体感覚を伴うハードウェアを組み合わせることで、より臨場感溢れる体験を提供しているのが、株式会社ハシラスです。アニメなどとコラボしたエンターテイメント性のあるものから、災害体験などの防災訓練のシミュレーションまで、企業のニーズに合わせて、様々なロケーションVRの制作を行っています。
今回お話を伺ったのは、株式会社ハシラス代表取締役の安藤晃弘さん。「その時代にある一番の高臨場体験をユーザーに届けたい」と語る安藤さんに、VR市場の可能性、VR制作の価値、これから目指す未来について伺いました。

新しい分野に果敢に挑戦するスタートアップ経営者を未知なる海に真っ先に飛び込む1羽のペンギンになぞらえてインタビューする「First Penguin(ファーストペンギン)」。更新しているのは、Fintechに関連するプロジェクトやコミュニティ、施設を運営する株式会社FINOLABです。

「その時代にある一番の高臨場体験をユーザーに届けたい」インタビュー斜め読み

ここではインタビュー動画本編より5つのやりとりを簡潔にまとめました。回答に対する安藤さんの思惑を深掘りしたい方は、ぜひ該当箇所がスポット再生されるURLよりご視聴ください。

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Q1. まずは、ハシラスのサービスについて教えてください。

A.「アミューズメント施設などで楽しむロケーションベースのVRを企画・制作しています。例えば、魔法の絨毯に乗って冒険に出かけるアトラクションで、VRに合わせて絨毯が動くように設計したり、ブランコに乗っているような感覚にさせるVRなどがあります。他にも受託の仕事では防災訓練の際に使われるVRを作ることも。仕事として請け負う際は特に色々な発見がありますね。当社が提供しているのは、平面のVRから一歩先にある体感型VR。風を発生させる装置やハードウェアを活用して『酔わない飽きない高臨場感』を実現させています

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Q2. VRを使ってみたいと考える企業も多いと思いますが、制作のためのコストは高いのでしょうか?

A.「現状だとやはりコストがかかってしまうので、何とかしたいと思っています。可能性を感じているのは展示会ニーズです。展示会に出展する企業がお客様に商品を買ってもらうには、生で見ていただくしかないですよね。ですが、大きな設備を伴うような商品は、現場に見に来てもらうしかないですし、現場に来てもらうのは大変です。結局、展示会で魅力の一端に触れて『良いな』と思ったら実物を見に来る流れが一般的です。その過程をVRで、高臨場感でスケールが分かり、説明を受けながら見てもらえるようになったら、普通の展示会に置くディスプレイと同じようなものになるかも知れない。これが実現すればモデルを入れて、適切な音声ガイドを入れて終わりなので、かなりローコストで制作できるかもしれません。ここはトライしてみたいところですね」

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Q3. VRとの出会いは何だったのでしょうか?

A.「2013年に今のVRを盛り上げた方が集まっていたVRコミュニティがありました。その方たちが、夜な夜な集まって意見を交わしていたところに、乗馬マシンを持って行って、VRと合わせたら面白くない?と言っていたら、会社になりました。つまり、趣味的活動からVRを作り出し、やっているうちに成り行きで法人になったようなものです。私は前職が芸人で、15年ぐらいプロマジシャン(江戸古典奇術師)をしていたのですが、創業者メンバーは学生の頃からのマジシャンの友人で。取締役が皆マジシャンの会社です(笑)」

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Q4. VRの強みは何ですか?

A.「VRにする価値は、現実にやるとハイコストなものと、不可能なものが実現すること。例えば、過去に遡ったり、アニメの世界に行ったり。多くのロケーションVRの体験というのは、やったら面白かったという感想がすごく多いんですが、完全に個人体験なので、やる前に魅力が全く伝わらない。だから体験する前からやってみたくなることがとにかく重要。IP×VRが良いと言われているのは、キャラクターがいるその世界に入れますよ、となるから。だから、どのお客様に向けてサービスを提供するかがVRの場合は特に大事。ターゲット戦略は大事だと言われますが、VRにおいてはその重要度がさらに一段階上がっている気がします」

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Q5. ハシラスとしての未来は、何を目指して活動しているのでしょうか?

A.「基本的に、その時にある一番の高臨場体験というのは、時代と共に変わってしまうんですね。なので、そこを追いかけたいというのが1つです。ショートスパンでは、パーソナルモビリティ的体験と、乗用車のシュミレーターのような体験が、社会課題に対してリーチし得ると思っているので、そこは実現をしていきたいですね。ただ僕たちが追いかけるものは、一般に行き渡る少し前のもの。一般への普及を後押しするような立場でいたいですね。皆さんがタッチポイントとして触れた、最良最高の体験の空間コンピューティングXRに、私たちの出すものがありたいと思っています」

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