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First Penguin vol.22 株式会社Momo・大津 真人の考える「IoTシステム開発の常識をかえる Palette IoT」とは?

読了時間:約 4 分

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IoT機器が増え、IoTシステムの開発に取り組む企業は増えてきました。しかし、いざ自分たちで取り組むと何から始めればいいのか、どのように開発したらいいか分からない。専門的な知識も必要で、開発費や時間が膨大にかかる。
そのような課題を解決し、誰でもすぐに構築できるIoTを開発したのが、株式会社Momoです。「IoTを買えばそれだけで済むIoTシステム」を体現できるほど、誰でもすぐに構築できるIoTを開発しています。
IoTシステム開発の常識を変える「PaletteIoT」を提供する株式会社Momo 大津 真人さんに、IoTのスピード感のある展開戦略やPaletteIoTの仕組み、IoTが普及した先にある未来について伺いました。

新しい分野に果敢に挑戦するスタートアップ経営者を未知なる海に真っ先に飛び込む1羽のペンギンになぞらえてインタビューする「First Penguin(ファーストペンギン))」。更新しているのは、Fintechに関連するプロジェクトやコミュニティ、施設を運営する株式会社FINOLABです。

「IoTシステム開発の常識を変える PaletteIoT」インタビュー斜め読み

ここではインタビュー動画本編より5つのやりとりを簡潔にまとめました。回答に対する大津さんの思惑を深掘りしたい方は、ぜひ該当箇所がスポット再生されるURLよりご視聴ください。

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Q1.株式会社Momoのサービスについて教えてください。

A.「IoTのPoC円滑化と社会実装を進めるために、専門知識がなくても、簡単に誰でもIoTシステムを構築できる『PaletteIoT』の開発を行っています。『PaletteIoT』は、必要なツールすべてが1つのキットにまとめられているIoTシステム。複雑な回路設計やプログラミング作業が不要で、誰でも簡単に導入できるメリットがあります。具体的には、積雪量測位と除排雪車の運行管理、建設機器や現場の管理、田畑の施肥の最適化、食料品メーカーの自社農園管理業務システムを使った業務効率化など様々な企業で活用されています。僕らがフォーカスしているのは、直線的な成長が見込める領域。市場として一括でリーチできる自治体を通した積雪や農業に重きを置いていこうと考えました

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Q2.PaletteIoTの仕組みはどうなっているのでしょうか?

A.「何が本当に必要で、どうすれば安くなるのかを構成し、試せるようにするのが、PaletteIoTです。組み替え可能なセンサーと送信用の無線基板を組み合わせて、必要な場所に設置し、Androidスマートフォンやタブレットにアプリをダウンロードさえすれば、誰でもすぐに構築できるようになっています。センサーは30種以上。加速度センサーや明るさのセンサー、距離のセンサー。農業だったら、CO2のセンサーやイオン量・通電性が分かるセンサー。漁業ならヨウ素酸素量のセンサー、熱電水アスファルトを測るセンサーなど、あらゆるセンサーを用意しています。基本的にはプログラミングもコーディング知識がなくても分かるような設計をしています」

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Q3.IoTのPoCと社会実装のノウハウは、開発経験の多さから蓄積したのでしょうか?

A.「PaletteIoTを発表した2017年に、30のメーカーやキャリア、大企業から依頼が来ました。50案件くらいやると、どの業界のどういう担当者が必要としているかが分かるんですよね。通常はエンドユーザーのジョブの解決を考えますが、私たちは担当者のジョブを解決する必要があるなと感じるようになって。例えば、農場を経営しているカゴメが、トマトの品質をあげたいのか、収量をあげたいのか、品質や収量をあげることで収益をあげたいのか、IRで一時的に株価をあげたいのか。その領域におけるジョブが何なのか、カウンターパートの人のジョブが何なのかを突き詰めてやってきました。ジョブに結びついていないとプロダクトは絶対売れません。その問題を発見することが最大の原動力なのだと思います」

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Q4.起業のきっかけを教えてください。

A.「大学院では認知心理学を専攻していました。そのときにC言語のプログラミングを勉強したことがこの分野に入ってきた最初のきっかけですね。その後、世界で初めてiOSアプリでモスキート音のアプリを開発したんですが、めっちゃパクられて(笑)。当時、スマホの上にのるファイルやアプリを制御する技術の開発もしていたのですが、回路設計を考えたり、マイクロUSBのボルト数を計算したりと、めちゃくちゃ大変で。この領域なら誰も真似できないだろうと思って起業しました。ちなみにMomoの名前は、児童書『モモ』の時間泥棒からとっています。現代人はスマホに時間を奪われています。スマホがなかった時代のように自由に生きたいと思って、名前を付けました

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Q5.IoTが普及した世界は何年後に来ると思いますか?また、そのときに何をしていたいと考えていますか?

A.「中国やアメリカ、ヨーロッパ、日本に限った話でいうと、10年後にはかなりIoT化が進んだ社会になると思います。革命的な変化は10年スパンで起こると考えていて、パーソナルコンピューターが出てきた時代、Windows95が出たり、Wi-Fiの端末が出てきたり。一番の革命はスマホが出てきたこと。スティーブ・ジョブズが起こした革命のように一気に物事が進むんだなと実感しました。今は、無限のソリューションが無限の問題を解決するハブになっています。IoTで同じことを起こせば、一気に流れが加速するはず。この流れを作っていきたいと考えています」

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