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「データ分析は企業を救う」 株式会社サイカがぶれない信念を持ち続けられる理由とは――Founders Night Marunouchi vol.25(オンライン)

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2021年3月24日、三菱地所が運営するEGG JAPANのビジネスコミュニティ「東京21cクラブ」と、イベント・コミュニティ管理サービス「Peatix」が共同開催する「Founders Night Marunouchi」を実施しました。(前回のイベントレポートはこちら )。

このイベントは、スタートアップの第一線で活躍する経営者から学びを得るもの。

今回登壇いただいたのは、株式会社サイカ代表取締役CEOの平尾喜昭さん。同社は2016年から、広告効果分析ツール「ADVA MAGELLAN(以下、マゼラン)」を提供しています。「マゼラン部長」と表されたCMを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

現在、マゼランは大手企業を中心に120社以上が導入。高いデータ分析力で、テレビCMを打つ企業にとって欠かせない存在となっています。しかし、平尾さんは「創業期はデータ分析が主流ではなかったため、サービスが認められず苦しい期間だった」と当時を振り返ります。

データ分析の時代なんてこない——。そう言われても、データ分析の先にいる“人々の才能開花”が、今後の企業成長に欠かせないと信じ続けた平尾さん。イベントでは、なぜそのような信念を持ち続られたのか、どのように成長してきたかを伺いました。Peatix Japan 取締役 藤田祐司さん、東京21cクラブ運営統括の旦部聡志がモデレーターを務めています。

INDEX

統計分析の可能性を信じ、チャンスを狙い続けた創業期
広告分析だけでなく、PDCAに関わるすべてを支援

統計分析の可能性を信じ、チャンスを狙い続けた創業期

平尾さんが統計分析にビジネスチャンスを見出し、起業した理由として、中学時代の原体験がありました。イベント冒頭では、そんな原体験をもとに創業までの物語が話されました。

平尾さんの人生を変えるほどの原体験、それは父親が勤めていた会社の倒産でした。倒産が要因で平尾さん一家は数々の苦労を経験。平尾さんは当時の様子を「まるでドラマの世界のような不幸が次々と起こった」と表します。それらの経験を通して、中学生ながらも「どうしようもない悲しみが存在しない社会にしたい」と決意したと語ります。

時を経て、大学時代。平尾さんは思わぬ形で父親の倒産に向き合うことになります。

「経済政策のゼミで、父の会社が不良債権処理のケーススタディとしてたまたま取り上げられたのです。統計分析で細かくデータを調べていくと、父の会社は潰れずに済んだのではという考えが浮かびました。倒産した当時は、経営者の勘や経験に依存することが多かった。そのため、データを用いて分析するということは、ほとんどされていなかったのです」

統計分析でどうしようもない悲しみを減らせるかもしれない——。そう信じ、平尾さんは2012年に起業。専門知識がなくても統計分析ができるWebサービス 「adelie(以下、アデリー)」をリリースしました。しかし、サービスが多くの企業に認められるまでには、長い時間がかかりました。データ分析の市場がまだ立ち上がり時期だったからです。

「当時は“ビッグデータ”という言葉が言われ始めた時代で、データの収集や蓄積が注目されていました。私たちは、そのデータから未来の推測や予測といったシミュレーションをすることこそ大切だと考えていましたが、当時はそこまで理解してもらうことが難しかったです」

広告分析だけでなく、PDCAに関わるすべてを支援

それでも、データ分析が企業の未来を救うと信じ続けた平尾さん。「ニーズがない」と言葉を投げつけられ、悲しい思いをしたこともあると言います。それでも、クライアント一人ひとりに向き合い、根気強くデータ分析の大切さを伝えていきました。すると、当時興味を持って話を聞いてくれたほとんどがマーケターだったことから、アデリーからピボットし、マゼランを提供。マーケター向けに機能を改善し、今では大手企業を中心に120社以上が導入するようになりました。

マゼランの2大機能「広告効果の可視化」と「広告予算配分の最適化」

また、2019年には新たなプロダクトブランド「XICA ADVA(以下、アドバ)」をリリースしました。アドバはマゼランを拡張したプロダクト。広告の効果分析と予算配分最適化だけではなく、広告におけるPDCAのすべてをデータサイエンスによって支援します。

特徴的なのが、出稿ボリュームに応じたマージンモデルではなく、売上などの事業成果を対象とする成果報酬型を採用。コロナ禍ではより広告の費用対効果が重視されるようになったのもあり、導入社数を伸ばしているそう。同社が持つ強みを、平尾さんはこう語ります。

「私たちが戦うデータ分析の領域では、先行優位が重要になってきます。長年この領域にいる私たちは、圧倒的なデータ量と学習量を持っています。さらに、アジャイルな開発体制でプロダクトの改善を日々行っているのと、開発に限らず、データサイエンスに強いメンバーが豊富にいるため、精度とスピードを両立することができています。

このデータ量と組織体制という強みがあるおかげで、新型コロナウイルス感染拡大によって生まれた異常値の修正においても、2ヶ月という短期間で完遂できましたね」

どんな困難な渦中でも、柔軟な対応力を持ったサイカ。「今後は日本だけではなく、海外にまでサービスを広げていきたい。そして、テレビ広告に関わる世界中の人たちが幸せになるソリューションを提供していきたい」と抱負を語り、イベントは幕を閉じました。

●転載元記事:https://www.egg-japan.com/event_report/4431